昔、こんにゃくは冬の食べ物でした。こんにゃく芋は、秋に植えて3年目の秋ににようやく使えるようになるんですよ。今は、冷凍できますから、一年中作れます。多いときは一気に300kgほど保存することもありますよ。

 こんにゃくの作り方は、まずこんにゃく芋を茹でて皮をむきます。それから、こんにゃく芋1.5kgに対して、水2リットルをミキサーにかけます。私のうちのミキサーだと4回に分けてつぶしています。私の母の世代は、この作業を臼でやっていたので、芋がつるつると逃げて大変だったみたいです。まんべんなく芋がつぶれたら、ちょっと固まるまで30分置きます。それに、水1.5リットルをさらに加え、手で混ぜます。そのあと、灰のあくを300ml入れます。

 灰の灰汁っていうのは、木の灰にお湯をかけてでてきた黒っぽい液体のことです。これを加えるとこんにゃくが固まるようになります。あと、色が白から茶色になります。私のこんにゃくの色は灰汁の色だけなんです。灰を取るのは杉や檜ではだめで、秋に紅葉する雑木がいいんですよ。でも、雑木の灰でも木の種類によって、こんにゃくの固まりやすさに違いが出てしまいます。若いころは、調整するのに苦労しましたね。今は、薬品で固める人も多いけど、私は今でも灰の灰汁を自分で取っています。

 こんにゃくが固まってきたら、手で握り、形を整えます。大きさはいつもお椀で測ってそろえています。あと、この時の芋の硬さは、手にべたべたとくっつくぐらいですね。形が整ったら、大きな鍋にお湯を沸かし、30分茹でます。見た目の目安はないので、時間で区切るって茹でてます。茹であがったら、こんにゃくのできあがりです。

 こんにゃくは毎日、お店に出すので、私はこの作業を朝5時ころからやっています。お店では、2個で1セットにして売っています。