僕は、梅ヶ島村立尋常高等小学校に通いました。当時小学校は、小学校は尋常科と高等科に分かれていました。昔は小学校6年と高等科2年間っていうふうだった。昔は先生が少なかったから、尋常科の1、2年生と3、4年生は同じ教室で一人の先生に教えてもらっていたんだ。今考えると先生たちはすごい教育技能だったな。
小学校での一番の思い出は修学旅行です。当時、修学旅行は尋常科6年生と高等科1年が一緒になって行ってたんだ。それで、僕は6年生の時に参加しました。当時は貧しくて、修学旅行に行けない子もいましたね。修学旅行の目的地はお伊勢さん(伊勢神宮)で、平野まで歩いてそこからマイクロバスに乗って静岡のせいかくろうというところで一泊してね。次の日にお伊勢さんに汽車で5時間かけていくんだ。僕はその時初めてアイスクリームを食べて、買い方もわからなかったんだけと、おいしかったな。そのころのアイスっていうのは今みたくしっかりしてなくてすぐにとけちゃうし、ざらざらしてるんだよ。だけどおいしかったな。
高等科を出た後、僕の場合は今の静岡農業高校の前の静岡農学校の土木科に行きました。本来は3年間なんだけど、2年生の秋ころには学徒動員があってね。だからほとんど勉強してないんだよね。俺は今でも恨んでるよ。
静岡農学校では寄宿舎で生活していたんだけど、1年間くらいでホームシックになっちゃっってね。梅ヶ島に帰ってこようとしたんだ。そしたら、ちょうどの有東木あたりで、バスが故障しちゃってね。親戚とも連絡取れないし、もうそこからは真っ暗の道を歩くしかなくてね。ろうそくを4本買って、教育勅語をずっと言いながら帰ったんだ。寂しいときは教育勅語を言えっていうのを、僕の中学校の校長先生が教えてくれたんだよね。教育勅語は結構いいこと書いてあるんだよ。
結局家に着いたのは、午前2時ぐらいだった。母親にえらく叱られちゃったね。